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〜墨ができるまで〜

一、採煙

純植物性油を土器に入れ、燈芯に火をともして土器の覆いをつけて、それについた煤煙をとります。
二、膠(にかわ)溶解

原料の膠を二重釜に入れて長時間湯煎をし、膠の溶液(溶かした液)を作ります。
三、木型

梨の木で作られた墨の木型には、墨の文字、図柄が彫ってあります。墨の一丁形の目方は15gで、木型に入れる時は、乾燥して小さくなるため、生墨で22.5g入れます。
四、型入れ

煤と膠の溶液と香料を加えたものを取り出し、手でよく光沢のでるまで練り、墨型に丁寧に型入れします。
五、灰乾燥

木型から取り出した墨は、第一日目は水分の多い生灰に埋め、二日以後は徐々に水分の少ない生灰に埋めかえていきます。この灰乾燥は小形で一週間、大形のもので30日〜40日程続けます。
六、自然乾燥

灰乾燥を終わった墨(約七割の水分が除かれる)は藁で編んで天井から吊るし、室内で乾燥します。普通約半月〜三ヶ月を要します。
七、磨き

自然乾燥を終わった墨は表面に附着している灰やその他の物を一丁ずつ水で洗い落とします。水洗いした後、上薬を塗布して炭火で焙り表面を柔らかくして蛤の貝殻でよく磨きます。
八、彩色

磨かれた墨は、水洗いで含まれた水分を除くため、三日及び一週間程、空気乾燥をし、金粉、銀粉、その他の絵具を使って彩色します。



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